あなたのまちづくりをお手伝い まちづくりホームプランナー事業協同組合 Urban Planners Association


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ホームプランナーの活動

ちょっとメモランダム(2014年分)


組合や組合メンバーの活動ご紹介、メンバーが出合ったちょっと役に立つ情報や気になること、あるいは日頃の活動の中で感じた独り言などなど、書きとめておきたいことをランダムにレポートします。
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「立川つまみぐいウオーキング」
  「立川つまみぐいウオーキング」と云うイベントを覗いて来ました。南武線西国立駅をスタート地点に、青梅線西立川駅をゴールとする、距離にして6〜8kmはあろうかと思われるコースですが、途中にあるいくつもの商店街のイベント参加店を覗いて、その店の得意の一品をつまみ食いしながらウオーキングをするというものです。
 参加者定員は500名だそうですが、街を歩くと、ガイドマップを手にした親子連れ、2〜3人グループの若い女性、年配の男性などこのイベントに参加していると一目で分かる人たちが結構目につきます。
 当日はお天気にも恵まれ、普段より人の姿が多く見受けられ、街が賑やかになった感じがしました。
 私も日頃訪れる事もない商店街を訪ね歩くことが出来て、今度入ってみたいと思う店をいくつか発見したのは収穫でした。
(2014.11.27)
記事
「レガシーと生活基盤」
 今年の4月に刊行された「浅田孝〜つくらない建築家、日本初の都市プランナー」(笹原克著 オーム社)が来月に増刷される事になったそうです。
 これは、私にとっては嬉しいニュースである事には違いないのですが、この本は決して一般受けするような性格でもないだろうし、と思うと、どうも人々の関心は、浅田孝個人の魅力だけに向いている訳ではないのではないかと思えてきます。
 折しも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関連して、1964年東京オリンピックのレガシーについて、マスコミ等で取りざたされています。
 ナツメロだったり、感傷だったりも目につきますが、その底流では人びとの気持ちが静かに動いているように思われます。
 それは、現在の自分たちの身の回りにある生活基盤が、数十年前の都市ビジョンや都市政策によって大きく形作られ、各地にいろいろな状態で現存しており、旨く行ったもの、挫折したもの、さまざまな結果が積み重なっていると云う事に人々が気づき始めており、その証を知りたいと云う気持ちになっている表れではないかと私には思われるのです。
(2014.10.25)
記事
「歴史になったニュータウン」
 かって横浜市では、都市機能の流出、流入人口の増大に伴う郊外スプロールの後追い整備などの山積みになった都市問題を解決し、明治時代以来疎かになっていた都市基盤ストックの形成を目指した街づくりが進められていました。その内容は、「横浜市六大事業」としてよく知られています。
 先日、久しぶりに現在の様子を見たいと思って、街を歩き、その後横浜市役所の行政資料室を訪れました。文字通り、横浜市に関連する行政資料が体系的に整理されており、一般の閲覧に供されている貴重な情報センターです。
 私の関心は、港北ニュータウンの街びらきが行われてから既に1/4世紀が経っているので、その後どうなっているのか、最近の様子や動向について知りたいと思っていたのです。
 所が、開架資料の書庫を随分探したのですが、何も見つける事が出来ませんでした。それで、職員の方に相談して一緒に探して貰ったのですが、見つけ出して下さったのは、市史資料の中にあるニュータウンに関する記述部分でした。
 明治も遥かに遠い存在になっていますが、ニュータウンも既に行政資料ではなく、歴史資料になってしまっているようです。
(2014.8.25)
記事
「大型店のオープンと交通混雑」
 テレビや新聞でも随分取り上げられましたが、4月10日(木)のIKEA立川店のオープンは、多くの話題を呼び、大勢の人が訪れ、店内は大変な混雑でした。
 当初はオープンに伴う周辺市街地の交通混雑が懸念されていました。これまで大型店のオープン時には各地で交通混雑が見られており、懸念されるのは当然ですが、結果的には、店周辺でも市街地全般でも殆ど混乱はなく、いささか拍子抜けがする位の平穏な状況でした。寡聞にしてこんな事例は始めてです。
 平穏にオープン出来た理由は以下の点にあったようです。
 まず、IKEA側が立川基地跡地を取得してからオープンに至るまでの3年間、出店に伴う交通問題に積極的に取り組み、以下のような対策を採ってくれた事です。
 @ オープン日を平日に設定する事により来客集中を回避した事。通常は殆どの大型店が土日祭日にオープンしています。
 A 既存店舗では、併設駐車場の料金を無料にしていますが、立川店では、買い物の有無に拘らず一律1,000円の有料とすることによって、車での来客減少を誘導した事。
 B 事前にホームページ等で公共交通機関による来店経路を説明し、その利用を積極的にPRした事。
 C 併設駐車場がオーバーフローした場合に備えて、無料の臨時駐車場3ヶ所を準備して、店舗との間でバスによるシャトルサービスを行った事。
 一方の受入れる市街地側では、「市内交通円滑化推進懇談会」が立川商工会議所を事務局として設けられ、関係行政機関、交通事業者等により情報交換、共有化が図られて、不測の事態に備えていました。(cf.読売多摩版、2014/05/31)

 このような対応策が実施された結果、新たな商業機能が加わった上で、街の交通環境には次のような変化が生じました。これは、魅力的な街づくりへ向けての大変望ましい効果を生み出したものと思います。
(2014.6.15)
「新著『浅田孝〜つくらない建築家、日本初の都市プランナー』笹原克著 オーム社」
 浅田孝に関する本が4月25日に世に出る事になり大変うれしく思っています。
 浅田は自分を語る事が少なかったため、余り知られていなかった生涯の全体像が今回初めて明らかになったものです。没後24年経つにも拘らず、今になってこのような本が出版される事自体浅田孝の魅力が示されている様な気がします。南極昭和基地の設計、世界デザイン会議事務局長、皇太子ご成婚記念「こどもの国」のマスタープラン策定とプロデュース、横浜市6大事業の提案、美濃部東京都知事、飛鳥田横浜市長の政策アドバイザーなど、深い洞察力と先見性に裏付けられた多彩な活動については、断片的、部分的に取り上げられる事はありましたが、生涯にわたる思想、活動の全体像を理解出来るような機会は殆どありませんでしたので、漸くそれが日の目を見たと云う事だと思います。
 また、この本によって、山脈の頂に近い部分の、創成期の群像の姿がかなり鮮明になって来たのではないかと思います。丹下健三を頂点とする研究室の山脈からは、大谷幸夫、槇文彦、磯崎新、黒川紀章などの優れた建築家が輩出していますが、丹下研究室が世に知られるようになる前の混沌とした時代の様子はこれまで余り明らかになっていなかった部分ではないかと思います。それは、戦後我が国の復興、新しい国土形成の初動期の熱気を孕んだ時代における革新的な建築活動の軌跡です。
 そして、何よりも私がこの本を読んで強く感じるのは、時代に対する浅田孝の感性の鋭さです。
 感性の鋭さは、市民社会の成熟へ向けてのさまざまな発言、初めて環境と云う概念を主張したその環境に関して、なにを重要視すべきかの見識、建築家と云う枠に収まりきらない、幅広く社会そのものをトータルに捉える視点、街を作る上での極めて有効な方法論=ゼネレイテイング・システムの提唱など随所に見られますが、私たちが未来の社会のあり方を展望しようとする時、これほどの先見性を持って、予見し実践できるだろうかと考えると粛然としてきます。

 個人的には、私は若い時期に僅か3年間でしたが浅田孝が主宰する滑ツ境開発センターに身を置いていたことがあります。その時の得難い体験がどれほど貴重なものであったか、今でも折に触れて感じています。
(2014.5.1)
「大型家具店のオープン」
  スエーデンの大型家具店IKEAが、来月立川にオープンする事になりました。
 1昨年4月のIKEA福岡のオープンに続いて7店目の店舗展開となります。
 この話が持ち上がったのは3年前。中々落札者が現れない立川基地跡地の国有財産処分の時からでした。何回かの入札の後で無事に落札し、その後施設の建設、大店立地法の手続き等を経て、いよいよオープンを迎える訳です。
 大型店舗のオープンは、個別の施設立地がどのように都市集積に影響を及ぼすのかを観察するのに良い機会でもあると思っています。
 IKEA側としては、年間の来客数を約400万人と予測しているようですが、これだけの来街者の増加による都市活動の規模の拡大は、街にさまざまな影響を及ぼす筈です。
 地元で最も憂慮されているのは、道路交通の混雑問題です。オープン時には、6,300台/日程度の自動車の入込が予想されているようです。これがどのような状況をどこに招くのか、都市が成長する時の集積規模と基盤施設の容量のアンバランスは常に出て来る問題です。
 一方、新しい業種業態の店舗は、新しいショッピング文化の出現を期待させます。
 IKEAの既存店舗を見ると、客層はヤングフアミリーが中心であるようです。ショッピングだけでなく、子供連れで休日等を店内でゆったりと過ごした人たちが街へ溢れ出て来た時、街がどう変わるかは楽しみです。
(2014.3.31)
「街の再開発と大学」
 一寸気になる記事を読んだので、見に行って来ました。場所は東京都新宿区神楽坂です。JR駅の方から歴史のある路線商店街の緩やかな坂道を登って行くと、途中の左側にあります。「PORTA 神楽坂」と云う建物で、地元地権者13軒と東京理科大学の共同再開発事業だそうです。地上7階地下1階で、地下1階、1・2階が商業施設、3階が住居、4〜7階が大学です。
 興味を覚えたのは、*1階部分は神楽坂通りに面して店舗を配置し、路線商店街を周辺と連続させているだけでなく、建物内まで引き込んで地下、2階まで連続する纏まった商業空間を創り出している点、*道路から奥に位置する既存の大学建物まで建物内を貫通するパッサージュを設けて結んでいる点、*店舗(=供給側)と大学(=需要側)とをコンプレックスとして構成している点、等です。
 特に最後の点については、人口減少と云うマクロな社会状況とミクロな環境整備をどう整合させるかについてのヒントがあるように思いました。
昨年暮れも押し詰まってから、或るフォーラムでとても洒落た事業の話を聴きました。
(2014.2.18)
「花Tramモデル事業」
 昨年暮れも押し詰まってから、或るフォーラムでとても洒落た事業の話を聴きました。
 富山市で行っている「花Tramモデル事業」です。
 これは、「花で潤う街『フローラルとやま』創出事業」の1つとして行われるもので、華やかで明るい空間を演出し、「花で潤うまち」を創出するため、指定の花屋で花束を購入し、市内電車等に乗車された方々の運賃を無料化すると云うものです。
 内容は、500円以上の花束を購入すると無料乗車券が貰え、降車時に花束を提示して無料乗車券を渡すと運賃が無料になると云うものです。
 事業の狙いとしては、中心市街地への集客増、マストラ利用の誘導、花きの消費拡大、商業活性化など様々な狙いがあるようですが、それら一切をオブラートに包み込んで、洒落た事業にまとめ上げた所がとても気に入りました。
 この事業は、平成24年11月からスタートしたそうですが、平成25年3月末までに、392人の利用者があったそうです。
(2014.1.9)